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【DMC】ダンテ夢短編集

第16章 お揃い



「ただいまー」

家に入ると玄関のドアを閉め、鍵をかけながら声を上げる。
一呼吸置いて、大股の足音。階段の上でダンテが顔を出した。

「おかえり。遅かったな」

「ん ちょっとね。ダンテ、来て来て」

気が急いて手招きする。
ダンテは不思議そうな顔をしながらも降りてきた。

は、買い物袋の中からピアスを探しながら言う。

「あのね、今日ダンテにプレゼント買ってき…」

「ちょい待ち」

近づいて、の腕をやんわりと掴むダンテ。
今度はが不思議そうな顔をする番。その整った顔を見上げる。

「何?」

すると彼はにやりと笑って。
突然、の唇に自分のそれを重ねた。

「……おかえりのキスだ」

一瞬触れて離れた唇に瞬く。ダンテがそれを意地悪そうに見る。

「……!!」

の顔は、一気に赤くなった。ダンテを見られなくて、ぱっと視線をそらす。
全く、普通にこんな恥ずかしい事をするのだからたまったものではない。

ダンテはその様子にくっと笑った。
いつ見てもの反応は面白くて可愛くて。
だからいじめたくなるなんて…お前、気づいてないだろ?


「…」

「…ん」

こっち向けよ、と囁かれあごをつかまれ、そっとダンテの方に向けられる。
そうしたらダンテの顔が予想外に近くにあって、は身を硬くした。

――ヤバい。これは、また来る。

わずかに開いた唇から覗く舌が、先程よりも深い口付けを求めているのがわかった。
まだピアス、渡してないのに…タイミング逃しちゃう。そんなのやだ!

は身体を後ろに引き、必死で口を開く。

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