第15章 こころのきもち (学パロ)
気はまだまだ収まらなかったが、が心配で。
駆け寄ると、震える小さな身体を力強く抱き締めた。
「!! やっ 離して…!」
暴れる。
しかしその力は弱々しく、ダンテには全く意味がなく。
それが、泣きたいほど悲しかった。
「俺だ」
拘束を解いてやり、声を絞り出して言う。
の。
涙が床にまた落ちた。
彼女は動きを止める。
「ダン……テ…」
「ああ」
「ダンテ… ダンっ……あ…うぁ、」
滴が、乾いたの頬を濡らした。
ダンテの名を何度も呼び、震える手ですがりつく。
ダンテは唇を噛み締めた。
が痛々しくて、どうにもできなかった。
どうしてこんな事が。
なぜが。
俺のせいだ。完全に侮っていた俺のせいだ。
………っ
ごめんな…
静かにダンテの頬に涙が流れた。
渦巻く感情は言葉では到底表せず、ただ一筋の涙となって流れた。
声を押し殺し、せめてが泣き止むまで。
誰か嘘だと言ってくれ。
これが夢なら覚めてくれ。
潰されそうだ。
やめてくれ。
ダンテは必死にを抱き締めた。
それしかできない自分を呪った。
「ダンテ…」
しばらくしての口からぽつりと紡がれた名前。
俺はお前にどんな懺悔をすればいい。何をやってもその場しのぎになりそうだ。
「何だ」
「………」
「何だよ」
「…やっぱり、い…」
「言ってくれ。何でもいい」
ダンテがそう言うと、はそっとダンテを見上げた。
それでも少し戸惑ったのち、ようやくゆっくりと口を開く。
「ごめんね…」
ダンテは驚いた。
「何で謝んだよ」
「私がこんなだから…ごめん」
「……」
ダンテはその言葉に口をつぐんだ。
もしかして、自分の容姿の事を言っているのだろうか。
薄々そう思ってしまうのではないかと感じていた。
の事だ。周りから冷たい目で見られるのは全て自分が可愛くないせいで、だからこんな事態を招いてダンテの手を煩わせてしまったと。
そう思っているのだろう。
―――全く…