第15章 こころのきもち (学パロ)
ビッ…
布が力で無理矢理破かれる音がした。
シャツのボタンが飛び、下着が露になる。
「!ん…む!」
声が出ないのがじれったくてたまらない。
服の中に伸びる手を払おうと、は暴れた。
途端聞こえる舌打ち。
「チッ… 静かにしろ!」
パァン!
頬に痛みが走った。
髪が顔にかかる。じんわりと痛みが広がる。
波紋のように広がる絶望的な気持ち。
目の前の男に憎しみが燃え、屈辱に涙がこぼれ。
信じられる人なんていないのだと悟った。
それでも、ダンテ以外の人に身体を触られるのが嫌で。
気持ち悪くて。
しかし手を縛られたと男2人とでは、為す術もない。
止められるはずもない。
ただこの地獄の時間が過ぎるのを待つしか。
「大人しくしてろよ。暴れたら容赦しねえぞ」
それが冗談ではない事くらい分かった。
頷きもせず、はただ涙を流す。
せめて、何も見たくない。
目を閉じた。
すると、ふっと口の布が外された。急に自由になり、は戸惑う。
しかし次の瞬間、唇を塞いだものは。
「んふっ… …やっ…!」
生ぬるい唇。自分勝手で身勝手で、相手の事を考えもしていない。
そしてぬるりと口内に侵入する異物。
―――気持ち悪い…
ぐちゃぐちゃと混じる音に、は吐きそうになった。
やめて。
やめて。
今口の中にあるのがダンテの舌ではないと、そう思っただけで死んでしまいたくなる。
流れ込む唾液を飲まないよう必死に抗い、そのせいで溢れたものが口の横を伝った。
駄目だ。
汚される。
手が服の中に入り下着をずらす感触に、は虚ろな頭で思った。
噴出す絶望。
黒く染まる。
誰か私を殺して。
お願いだから。
汚れる前に。
ダンテのものであるうちに。
…ダンテ……