第15章 こころのきもち (学パロ)
「あんたなんかいらないのよ。傷だらけになって、捨てられればいい」
ひゅうっと、刃が薙いだ。
ぴりっと走る頬の痛み。切られたのだとすぐにわかる。
女生徒はそれを見て満足そうに笑むと、座り込んだの前目線を合わせるようにしゃがんだ。
カッターをのどに突きつけ、押す。
「まぁさすがに殺しはしないけどね。ここは滅多に人が来ないし、存分に痛めつけられる。まだまだこんなもんじゃないんだから」
すうっと刃を滑らせると、の首に横に延びる紅。
は目を細めた。
ヤバいかもしれない。
今までにもこうして傷つけられた事は幾度かあったが、こんな部屋でカッターひとつでここまで余裕の表情を浮かべる彼女に、寒気に似た悪寒がした。
その時。
「やって」
短く一言言った彼女。
それと同時に、どこにいたのか男が二人現れた。
「! んっ…」
女生徒の知り合いだろう。
大量のダンボールの陰に隠れていたようだ。
そこそこの顔立ち。
そこそこの身体つき。
ダンテを彼に持つにとっては、みんなそこそこ。
それにしても、気付かなかった自分に腹が立つ。
影で様子を見て笑っていただろうに。
そして同時に、悪寒の原因がわかった気がした。
密室に、男2人と。
考えたくもない。それでも付きまとう予感。
「じゃ、あとは好きにして。めちゃくちゃにしていいから」
女生徒の目的はこれだったのか。
を罵り、痛めつけるのではなく。
もっとひどい。
女生徒3人は、に「ざまあみろ」という風に微笑むと、部屋から出て行った。