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【DMC】ダンテ夢短編集

第15章 こころのきもち (学パロ)



「…私に八つ当たりされても、何にもならないと思うけど」

わざと気丈に振る舞った声。しかし心臓は脈打ち、手はわずかに震え始める。
ドアに鍵をかけた女生徒が、を睨んだ。

「ムカつくのよ…あんた。ダンテといっつも一緒にいて、目障りでしょうがない…!」

陳腐な言葉。
に言われるのは、いつも決まった台詞。
もう聞き飽きたよ。
他に言う事ないの?

「大して取り柄もないくせに…魅力も全然ないくせに!腹立つのよ!殺してやりたいくらい!」

一方的に放たれる暴言。
どうやらに用があるのは鍵をかけた彼女だけで、他の2人は付き合いらしい。

一人で行動もできないの。
弱い証拠。
だから言葉も弱い。

しかし、その言葉でしか気持ちを表せないのも事実。
言葉の枠を、易々と越える気持ち。
その気持ちが引き起こすのは…

「あんたなんか…あんたなんか…!」

破壊だった。


いつの間にか、女生徒の手にカッターが握られていた。
あの色は、職員用のものだ。先生から借りて来たのだろうか。

はカッターを冷ややかな目で見つめる。
別に驚くような事でもない。
こんな事は、前にも何度かあった。
何度もあった。

「……っ」

それでも、足が勝手に後退する。
こんなに冷や汗をかくのはなぜ?

鈍く光るカッターの刃。
少し錆びた色をしたそれは、の恐怖心を更に煽り。

「!!」

女生徒2人がすっと近寄っての両腕を押さえつけ、ネクタイで縛ったのに反応が遅れた。

「やっ…離し…」

「離すわけないでしょう」

喜んでいるのか興奮しているのか、女生徒は笑っていた。
じりじりとに近寄る。

その間には後ろから布を口に押し込まれ、くぐもった声が虚しく漏れた。

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