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【DMC】ダンテ夢短編集

第15章 こころのきもち (学パロ)



「」

ダンテの低く心地いい声に名前を呼ばれ、はハッと顔を上げた。
目の前にダンテの顔。
少しかがんで、を除き込んできている。

…うわっ!

は反射的に顔を背けた。ダンテはそれを見て少し笑う。

「どうしたよ」

「えっううん!何でもない!」

自分に自信がないなんて言えない。

「ならいいけど。俺先公とちょっと話あるから、待っててくれるか?」

「ん わかった。教室で待ってるね」

「いい子だ」

ダンテはの頭にぽんと手を置いた。優しく撫でられ、は嬉しそうに微笑む。
どこかで悔しがる悲鳴が聞こえたが、気にしない。


「じゃあな。すぐ終わると思うから」

そう言うと、ダンテは軽くウインクをして職員室に入っていった。
はそれを手を振って見送り、微笑み。
息をついて、教室へ歩き出す。

職員室内でダンテは、ドアのガラス越しに遠ざかるを見つめていた。
小さい背中が更に小さくなっていく。



そんな中。

「先生、これ借りていきますね」

「ああ。ちゃんと返せよ」

近くで女生徒と先生の声がして、ダンテは職員室内に視線を向けた。
その時ちょうどダンテがいるドアに向かっていた女生徒と目が合い。

「…お。悪い」

入り口を塞いでいたダンテは、横によけた。

「…いえ」

彼女は返事をしながらダンテに見惚れていて。
笑ってやると、顔を真っ赤にしてうつむき、職員室を出て行った。

―――ん?あいつ…

ダンテはふと見覚えがある気がして、走っていく彼女を見る。
そうだ。さっきの頭を撫でた時に、何かわめいてた奴だ。

彼女はが向かったのと同じ方向へ消えていく。

―――あいつ、手に何か持ってたな…

何の気なしに記憶を辿る。
確か…

思い出した時。
同時にダンテは先生に呼ばれ、考え事はそれっきりとなった。
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