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【DMC】ダンテ夢短編集

第13章 寒がりさん



外はひんやりとした夜の空気。
匂いも昼とは全然違っていて、この匂いがは大好きだった。

人も車も通らない道路。暗闇に包まれ、街灯も壊れてついていない。

真っ暗闇。
目を閉じたような暗闇。
緩やかに落ち着くような。それとは裏腹に、闇に何かが潜んでいるような感覚。

ダンテの前を軽やかな足取りで進みながらは言った。


「ねえ、近くの公園行こう!あそこ随分行ってないし」

「いいけど着く前に怪我するなよ。あんまりはしゃぐと危ねぇぞ」

ご機嫌のに対してダンテは大人しく。から目は全く離さずに、周りに危険がないか気配で探る。

そのうちは不意に足を止めてダンテを待ち。
ダンテの忠告を素直に受け止めたらしい。先をじっと見ている。

それに少し笑いながら、追いついたダンテはの頭を抱えて引き寄せ。
肩を抱いて先へと促した。


公園には人一人いなかった。
電灯が危なげに瞬いている。昼間は子供で騒がしいのに、夜はこんなに静かで。

はきょろきょろと辺りを見回した。
最後に来た時から変わっていない遊具。古びたくらいで、記憶通りの位置にある。
ブランコを見つけると駆けていき、座り込んだ。

ダンテはそんなを微笑ましく見つめる。
全く、歳が10歳くらい戻ったんじゃねえのか。ブランコに座って揺らして。
随分大人びた子供だけどな。
無性にからかいたくなる。

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