第13章 寒がりさん
不意に夜の散歩に出掛けてみたくなった。
開けた窓から吹いてくる風がすごく気持ちよくて、向かいのソファで寝そべっていたダンテに言う。
「散歩行きたい」
「んぁ?」
ダンテは首だけで振り返ってを見た。
ダンテがさっきから眠たそうにしてるのはわかってたけど、寝るにはまだ少し早い時間。
彼は退屈しているだけだ。
だから、嫌だとは言わないだろうと確信していた。
そして案の定。
「まあ…たまにはいいかもな」
「やった!」
ぴょんとソファから飛び降り、は玄関へ駆ける。
その背中にダンテ。
「そのままでいいのか?」
部屋着で少し薄い服を着ている彼女に言う。
すると何でもないような返事が返ってきた。
「運動するし大丈夫だよ。早くいこ!」
「んな急ぐなよ」
ダンテは緩慢な動作で立ち上がると、側に落ちていた彼のパーカーに手をかけた。
長袖を着ている彼の方が半袖を着ているより温かいはずなのに、袖を通す。
「ダンテって寒がりだったっけ?」
「まあな」
鈍いブーツの音を響かせてダンテがやってくる。
パーカーを羽織りの手を取ると、扉を開けた。