第12章 金色の海と太陽に
なんで?
なんでこんないきなり…しかも年の始めの元旦に。
年の始めの元旦だから?
区切りをつけるために?
「」
「…や……」
身体を離したを、ダンテが身を乗り出して捕らえた。
左腕での腰をしっかりとつかみ、右手で頬に触れる。
「…大好きだなんてもう言わねえ。愛してるぜ」
「やっ…………ぇ…」
「愛してる」
潮騒が消えた。
ダンテの手が、耳を覆うの手を更に覆っていた。
聞こえたのは、ダンテの短いひとこと。
たったの5文字。
唇がまるで吸い寄せられるように重ねられ
は何も考えられなくなった。
唇が触れたのは短い間だったが、その口づけはまるで今までのと違っていた。
何もかもダンテに吸われてしまうような感覚。
燃え上がっていた炎はまるで幻だったかのように消えて。
は、ダンテが頬に唇を寄せて涙をすくうのをただ感じて
状況整理もままならなかった。