第11章 世界に二人
ダンテは裏路地の更に奥に行き、誰もいない所に進んだ。
ふっと立ち止まると、を振り返る。
ずっと小走りだったせいで、は息が上がっていた。
ダンテはそれをじっと見つめ。
―――は俺のもんだ。
を壁に押し付ける。
「え…っ」
驚くに唇を重ねた。
「誰にも渡さねえぞ…俺を誰だと思ってる」
「ダン…っ」
「お前は俺のだ。他の奴には許さねぇ」
独占欲が、ひどくダンテを揺さぶっていた。
の笑顔がレイに向いた事に腹立たしさを覚え。
この世界で、俺との二人だけだったらと切に思う。
の手首をつかんで壁に縫い止め、何度も唇を重ねて。
の足の間に自分の足をねじこみ、今この瞬間にを支配しているのは俺だけだと実感し。
「ふっ…ぅあ…」
彼女の瞳に自分の顔。それはひどくぎらついて見えた。
お前は俺だけ映していればいい。
確かに今、が感じているのはダンテだけで、それに満足する。