第11章 世界に二人
その事に安心し、息をつき。
の手を引くと。
「あ そうだ。に見せたいものがあんだよ。
すぐそこだから、良かったら見ていかないか?」
レイが言った。
の視線は再び彼へ。ダンテは舌打ちをする。
の手を握る。
絶対離さねぇ。
「、もう行くぞ」
お前の所なんかに行かせるか。
こっちはデートなんだよ。察しろ馬鹿。
が戸惑い、レイとダンテを見比べる。
「え でも…」
「いいから。行くぞ」
これ以上の視線がレイに向けられているのに耐えられなかった。
有無を言わさずの手を引き、歩く。
引かれながら、は遠ざかるレイに言った。
「ご ごめんね!また今度ゆっくり見せて!」
「ああ。またな」
――またなじゃねえよクソが…
イライラする。
――ぶん殴りてえ…
の笑みを見たあいつを、ぶん殴りたい。笑顔を独占した彼を。
黒い嫉妬。
ダンテは荒々しい大股で歩いていく。
「どうしたのダンテ…っ」
ダンテの歩幅についていけず、小走りの。
この街を知りつくしているダンテは、迷わず街中を縫い歩き。
人気のない裏路地に、を引きこんだ。