第1章 HELLOWEEN NIGHT
ベッドに横たわったの上に覆いかぶさるダンテ。ダンテはこの、両腕でを閉じ込めた瞬間が好きだった。
自分以外には誰も触れさせない距離。自分以外見えないであろうの視界。
独占欲が満たされる心地いい瞬間であり、支配欲が首をもたげるゆらりとした瞬間。
そして何より、恥ずかしそうでいて嬉しそうな、の顔が。
「ちょ ダンテ…!これじゃいたずらする方が逆なんじゃ…」
「細けー事は気にするな。菓子をやれなかった詫びだ。…それと、が可愛い事してくれたお礼」
「ええっ!あれ一応いたずらなんですけど!」
ショックを受けるにダンテは笑う。
「んな事わかってるよ」
「じゃあお礼じゃないよね…」
「気にするな」
それ以上言わせまいと、の唇を指で軽くなぞってやる。は諦めたように息をついた。
「何か違う気がする…」
「違うもんか。こんなにいい日はねえよ」
愛するがたまらなく可愛い格好をして。お菓子をやらないだけでいたずらまでしてくれて。ちょっと口を回せば自分もいたずらできて。
そう、こんなにいい日はない。