第1章 HELLOWEEN NIGHT
ダンテはと額をくっつけ合わせると、再び唇を重ねた。
の唇は甘く柔らかく、極上の味。その唇は容赦なくダンテの理性を奪う。
の開いた口に舌を入れると、彼女の方から絡めて来た。どうやらいたずらすると言った事をまだ気にしているらしい。
ダンテはそれが嬉しくなり、に任せてみる。
が。
「………」
ぎこちない動きは、ダンテをひたすらに焦らすだけだった。
我慢大会でもしてんのか俺は?だとしたら負け確実だぜこれ。
焦らしの天才、。
待てない。我慢できない。
必死になって頑張っているのはわかるし嬉しいのだが、それとは正反対にもどかしさが募っていく。
早くもっと絡めたいのに絡めないもどかしさ。我慢の苦手なダンテの前では短時間でリミットに達した。
「!! んっ…」
突然ダンテの舌が動き、反射的に息を止める。
「んぅ…… は…っ ぁ」
さっきよりも更に力と支配に溢れるモノ。ダンテの力強さは底がないようで、少し怖い。
しかし襲い来るのは怖さだけではなく、悦びも快楽も一緒だった。
飲み込まれそうな波の後、ダンテは途切れた息をつく。
「礼を言うぜ。のおかげで、我慢できそうにねえ」
「え……」
何が自分のおかげなのかわからず、ぼんやり目でダンテを見る。
それすらもダンテをあおり、彼はたまらずの耳をべろりと舐めた。
「ひや…っ」
びくんと身を竦ませる。
その一挙一動をつぶさに脳に記憶する。
愛しい。
愛しい。
俺の。
耳から首筋へ。首筋から肩へ。丁寧にゆっくりと、舌を這わせ、舐め、肌を押す。
次第にの息が荒さを増す。抵抗しようとした手は、今日が何の日かを思い出してすぐに動きを止めた。
ダンテはにやりと笑う。
そうだ。俺もから菓子を貰ってねぇ。
なら悪戯する権利はあるんだろう?
「俺の悪戯から逃げられると思うなよ…」
低く呟いた声が、皮切りとなった。
.*HAPPY HALLOWEEN!!*.
2006/10/12