第54章 一度入ったら逃げられない (逆ハーダンテ落)
「他の本だと貴様との相性は最低だ」
「じゃあアンタとの相性も最低じゃん」
「そんな事があるか。そもそも俺は相性占いなどというお遊びは信じていない」
「じゃあ低かろうが関係ないんだろ。と相性最高なのは俺だ」
「貴様はいつも騒がしいばかりでを引っ張っているだけだ。相性などという高尚な縁など皆無だろう」
身長が高い二人はただの口喧嘩にも迫力が出る。顔立ちが整っていてビジュアルも最高なのだから尚更だ。
占いなんだからそこまで険悪にならなくても、と私は思ったが、この二人の間に入って仲裁をする勇気はさすがに無い。
「喧嘩は外でやってくださーい」
小声で言ってみるものの、二人の耳に入らないのはわかっている。
仕方なく軽く溜息をついて雑誌に目を戻した。