第54章 一度入ったら逃げられない (逆ハーダンテ落)
「今日の運勢あんまり良くないってー」
「んな子供騙しなもん信じるなよ。良い事だけ信じとくのが利口だぜ」
「でも読んじゃったら気になるもん。今日はあんまり動かないようにしよっかな」
ソファに座ると、ソファの後ろから背もたれに腕を乗せて雑誌を見ているダンテ。
その向かいではバージルがいつもの如く本を読んでいる。今日は医療系だ。
私が読んでも最初の一文でわけわからなくなるのに、彼はすらすら目を動かしていく。
「お。相性占いあんじゃねぇか。俺との相性の良さはー…」
隣のページにあった別の占いに目を止めたダンテは、表を見ながら結果を探る。
「90パーセントだってよ。まあまあだな…」
その答えにぴくりとバージルが顔を上げた。
「90だと?有り得ん」
「有り得なくねーよ。100でも良いくらいだ」
「俺との方が絶対相性が良い」
「いやバージルもダンテと同じ誕生日だから相性も同じ90パーセントですよ」
私が思わず口を挟んでもお構い無しはいつもの事。
二人の視線が真正面からぶつかる。
二人はいつも反りが合わなくてなるべく一緒に行動しないようにするくせに、こういう時は譲らないのだからわからない。