第3章 RED DRINK
ダンテはその手をじっと見つめる。自分よりも白く細い小さな手。
下から掬うように自分の手で包むと、もダンテの手に指を絡め。
そしてダンテは不意に、の手に顔を近づけ、その指を口に含んだ。
「んぁ…っ」
反射的に目を閉じ、びくりと反応する。
ダンテはそんなの顔を見上げながら舌で指先をなぞり、左手を丁寧に舐めあげていく。
指先から間接へ。付け根の窪みへ。やがて手の平に。
「ぁあんっ …ふ ぅ、」
ぴちゃ、と濡れた音。ざらついた温かい舌の感触に、ぞくぞくと背が痺れ、は身をよじった。
「やぁ…、 ダン…っ」
―――すげえな。手だけでこれかよ…
手の平を指先で辿りながらの様子を見ていたダンテは、想像以上の効果に驚いた。
時折息をあて、硬く力を込めた舌先で突き、爪の間まで舌を這わす。
「んぁ…ぁっ は、や」
の手が濡れ、妖しく艶やかに光り始めた。
彼女は時折身体を震わせながら、歯を食いしばりぎゅっと目をつぶり耐える。
知らずもう片方の手を握り締めていて、爪が食い込む痛みでまぎらわそうとするが、それでも耐えられそうにない程の快感が彼女を襲っていた。
俺も大概、意地悪だよな。
しかし今回ばかりは、彼女ではなく自分を追い込んでいる感覚に陥ってならない。なんとか行為を止めたダンテは、指に唇を当てた後離れた。
震える呼吸をするににやりと笑い。
「これで指輪、はまりやすくなったな」
そう言って、光るリングを左手の薬指にはめる。
濡れた指にリングは滑るようにはまり、たやすく迎え入れた。