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【DMC】ダンテ夢短編集

第35章 告白 (学パロ)



ダンテのため息が聴こえる。
こうやって、幾つもの生徒の想いを受け止めてきたのだろう。
そしてそれを一人で抱えているのだろう。

それでも私とペアの指輪をしてくれている。

よかった、なんてものじゃなかった。絶対絶命の境地を救われた気分だ。

女生徒に対して僅かばかりの罪悪感。しかしだからといってダンテへの気持ちは遠慮がちになるどころか増長。
私はまだ、ダンテと繋がっている。


「…戻ろ…」

ここにいても仕方がない。
ゆっくりと腰を上げた瞬間。

「盗み聴きなんて趣味が悪いぜぇ?」

「!!」

すぐ傍でダンテが意地悪そうな笑みを浮かべて立っていた。
は心臓が止まった気分になる。まだ戻っていなかったのか。

次いで激しい気まずさが脳内を支配して、は視線を泳がせた。

「えっと…」

「不安だったかよ? 俺が受けるわけねーだろ」

「……う…ん」

幸せな、幸せな、幸せなその言葉。
なのにいまいち信じきれない自分。
だって、わからないもの。こんな私のどこが好きなのか。

心に靄が残る。贅沢な靄だ。
ダンテを信じていないわけがないのに、大切なところでどうして信じないのだろう。
嫌になる。

すると。

「そーいうとこ、好き」

頭を撫でられた。
意味がわからず顔を上げると、優しく微笑んだ笑顔が目に入って。

「はそのままでいいって事」

不安を覆うように抱き締められた。




2007/01/17
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