第27章 目を開けばそこに
多分限界だろうな、と。
そう思うダンテの読みは当たっていて。
わざと話かけないで部屋着に着替えたり身支度を整えていると、はすぐにソファにもたれかかりずるずると落ち始めた。
しかし何かの物音でふと目覚めてしまうようで、意地でも起きようという粘りが見受けられる。
ダンテはその様子をずっと見つめていて。
まるで会えなかった分を埋めるようにじっと見つめていて。
食事を終えて食器を流しに置き、がとうとうソファに横たわった時。
大股で近寄ると軽々を持ち上げた。
部屋への階段を昇る途中では目が覚める。
「ん…え。 なに…」
「寝るぞ」
「寝るぞって…ダンテ、ご飯は?」
「喰った。美味かった。今日は一緒に寝るからな」
それを聴きながらをまた睡魔が襲う。
ダンテの体温にゆらゆらと心地よい浮遊感。揺りかごの中にいるようだ。
安心と安堵。
愛しいその存在に包み込まれる幸せ。
すとんとは意識を落とした。
ダンテに守られるように抱えられながら寝ているのに気付くのは、翌朝目覚めてから。
2007/11/24