第11章 信愛…
「あっ…、ああっ…、に…さ…ま…、熱いわ…、とっても熱い…」
僕は智子の全身に、余すことなく唇を落とした。
仄かに智翔と同じ匂いのする小さな乳房にも、そして緩く勃ち上がる茎にも…
その度に智子は細い肢体をくねらせ、甘い吐息を唇の端から漏らした。
そしてその身に僕を受け入れた瞬間、苦痛に歪めた顔に浮かんだのは、普段の愛らしい智子からは想像も出来ないような妖艶で、それでいて可憐な色香をだった。
硬い蕾が花開く瞬間を見たような…そんな気がした。
「綺麗だ、智子…」
どんなに色鮮やかに咲き誇る花よりも、満天の星空よりも…
「ああ…、嬉しい…。智子幸せよ…」
「僕もだ、智子…」
智子の吐息を、そして智子の体温をこんなにも近く、深く感じることが出来るなんて…
これを幸せと言わずして何と言おうか…
僕は身体を起こすと、胡坐をかいた上に繋がったままの智子を引き寄せた。
「あんっ…、んんっ…」
より深くなった繋がりに、智子がしなやかな背を仰け反らせ、長い巻き髪を揺らした。
僕は後ろに倒れそうになる智子の背を支え、強く抱き締めた。
するとそれに応えるように智子の腕が僕の首に巻き付き、僕の肩口に熱く火照った頬を寄せた。
「ずっとこうしていて…?」
智子の熱い吐息が僕の首筋を擽る。
「ああ、勿論だとも…。ずっとこうしていてあげるよ…、ずっと…」
智子、君が望むのなら僕はずっと…
僕達はその晩、お互い意識を飛ばすまで、深く強く抱き合い、そして幸福感に包まれたまま眠りに就いた。