第7章 哀傷…
僕は智子の中に、この胸に溢れる熱い想いを注ぎ込んだ。
その瞬間、智子は身体を大きく震わせて、僕の腕の中で意識の糸を手放した。
「漸く僕の物になったんだね、智子…」
汗でしっとりと濡れた額に張り付く髪を指の腹で掬い、涙の筋が残る頬を手のひらで撫でる。
すると、智子の瞼がぴくりと動いて、長い睫毛を震わせながら瞼が開いた。
「ん…、に…さま…?」
「何も言わなくていいから、ゆっくりお休み?」
「…ん…」
唇を頬に当てると、智子は再び長い睫毛を震わせながら瞼を閉じた。
僕は智子を起こさないように、そっと智子の中から抜け出すと、僕の吐き出した精で濡れた秘部を、ちり紙で優しく拭った。
「えっ…、これ…は…?」
その時、僕はあることに気が付いた。
「智子、君はまさか…。そんな…」
僕は、僕の手の中にある、精を拭ったちり紙をまじまじと見つめた。
「僕はなんてことを…」
てっきり父様のお手が触れているとばかり思っていた。
智子の身体はもう人の手に穢されていると…
でもそれは僕の思い違いだったんだ。
その証拠に、ちり紙には、僕の精に混じって、智子の流した赤い血が滲んでいた。