第12章 本日の近侍 ※一期一振R18
他の刀剣男士も私を子供扱いする者はいるにはいるが。
私は、彼にだけは子供扱いしないで欲しいのだ。
「ねぇ、一期一振……」
「はい。どうなさいましたか?」
名前を呼べばいつも笑顔で応える彼に、一瞬怯んでしまう。
けど、今日こそは言わなくては。
「一期一振はいっつも小言ばっかり!いい加減子供扱い、しないでほしい」
言った。ついに言ってやった。
反抗期か?と思われるかもしれない。
まだまだ子供ですよと一笑されて終わるかもしれない。
けど、一期一振は少し考えるような仕草をすると、ニッコリと微笑んだ。
「……かしこまりました」
「へ?」
想定外にあっさりとした返答に、間抜けな声が出てしまった。
え、こんな簡単なことだったの。
もっと早く言えばよかった。
「毎晩一人じゃ眠れないと泣いていた幼少の頃とは違い、主はもう立派な女性。主に合わせるのは刀の本分。私もまた、貴女に合わせましょう」
う、何年も前の話を持ち出すなんて。
とっくに一人で眠れますって。
「ほんと!?もう小言とか小言とか、細かいお説教とかはなし?」
「ええ、貴女を一人の女性としてお相手いたしましょう」
やった。これでようやく、一期一振の小言から解放される。
「そういえば、明日も私が近侍に決まりましたので、明日も私にお任せください」
「うん。わかった!じゃあ、おやすみなさーい」
長年の小言からの開放感でウキウキする中、明日からどうなるのかなとワクワクしながら眠りについた。