第9章 混み合った電車の中で ※加州清光R18
彼の表情に動揺していると、ガタンと電車が揺れる。
揺れに合わせて、彼が私の体をドアに押しつける。
彼の体温を感じるくらい体は密着し、お尻に硬いものが当たる感触がした。
「…………っ」
それが何か、わからないほどウブではない。
顔が熱い。
きっと今、すごく顔が赤くなってるだろう。
あまりに恥ずかしさに顔をうつ向かせると彼の指先がツンと恥ずかしい場所を突いた。
下着越しに指先が秘部を上下に擦る。
指の腹で円を描くように撫でたり、指先だけでくりくりと中心を弄ったり。
どうしよう。
電車で、知らない人に囲まれている中で、名前も知らないけれど、憧れの彼に触られている。
それに感じてしまっているなんて。
彼に触られるたびに、濡れてきているのがわかる。
きっと、彼も思っているだろう。
なんて厭らしい女だって。
「ふっ……、ん」
ふと、彼の指が下着の中に潜り込んでくる。
くちゅりと音を立て、指先が花芽を捕らえる。
だめ、そこ触っちゃやだ。
ひときわ強く快楽が背筋を走る。
けど、声を出すにはいかない。
私は必死で唇を噛み締めた。
そんな私をあざ笑うかのように、彼は人差し指と中指で花芽を摘んでは上下に早く擦り、くりくりと弄る。
「ゃ……んっ」
あまりの刺激に体がビクビクと震えてしまう。
周りに気づかれないよう、手で口を押さえ、必死で快楽に耐える。
横目で車内の案内板を見ると、私が降りる駅はまだ少し先だし、それまでは目の前のドアも開かない。
それが良いことなのか、残念なのかわからないほど、私の思考は快楽に侵されていた。