第7章 学校の先生※へし切り長谷部R18
桜は授業中、ノートをとらないが成績は悪くない。
飛び抜けて良いわけでもないが、平均よりは上だ。
授業を聞くだけで覚えてしまえるのかと思ったが、そうではなさそうだ。
他の教科ではノートをとり、真面目に授業を受けていると、数学科の一期一振から聞いた。
「……俺の授業だけか」
一度気にしてしまうと、とにかく気になって仕方がない。
何故だと本人に聞こうとも思ったが、どう聞けばよいのか。
「何故、そんなに俺を……」
見ないでほしい。
そういうわけではない。
ただ、言いようのない感情が込み上げるのだ。
「………少し頭を冷やすか」
今は五限目、今日はもう自分の授業はない。
あとは昨日やった小テストの採点をするくらいだ。
今なら少し休憩してもいいだろう。
イスに掛けていた上着を羽織ると、一人になるため屋上へと向かった。