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ショートなR18妄想【刀剣乱舞】

第29章 沖田総司の脇差 零章※へし切長谷部


主は懐から鈴を取り出すと、リンと鈴を鳴らした。
そして、隣にたつ近侍に声を掛ける。

「国重ってことは、長谷部と何か関係があるのかな?」

「さあな……けど、長谷部なら彼女の案内役として適任だろう」

主と山姥切国広は、誰か違う刀剣男士の話をし始めた。
長谷部って言ってたけど、誰だろう。
私と関係がある刀なのかな。
同じ新撰組にいた刀かな。

「主、この長谷部をお呼びですか?」

頭の中が疑問だらけになっていると、部屋の向こうから声がかけられた。

「長谷部、入って。お願いがあるの」

主がそう言うと、スッと障子が開き、背の高い男士が部屋に入ってきた。
誰だろう。
顔を見ても、全然わからないや。

「この長谷部、主の呼び出しを受け、ただ今馳せ参じました。それで、此度はどのようなご命令ですか?」

「長谷部、新しく来た子の案内をお願いしたいの。国重お源が打った一振り、霧雨よ。国重っていうから、何か繋がりがあったり……しない?」

鈍色の髪に、藤色の瞳。
意志の強そうな顔だが、それを表には出さない忠誠心も伺える。
何より、見目麗しい。

彼と目が合うと、ドキッと心臓が跳ねた気がした。
彼の顔、私の好みかもしれない。
そんなことを考えていると、その人はゆっくりと首を横に振った。

「すみません主、残念ながら私とは縁がないとお見受けします。ですが、主命とあれば私が霧雨の案内役を引き受けましょう」

「ありがとう長谷部、お願いね」

主は彼にそう言うと、私の方を見て、またにっこりと笑う。

「霧雨、彼はへし切長谷部。この本丸で三振り目に顕現した刀剣男士なの。何でも知っているし、すごく頼りになるから今日は彼に本丸のことを教わってね?」

どうやら彼、長谷部は主からすごい信頼されているみたいだ。
だからこその勝気な顔なのかな。

「霧雨です。宜しくお願いします」

思わず、口調が丁寧になっちゃった。

「長谷部と呼んでくれて構わない。来たばかりで不慣れなこともあるだろう。何でも俺に聞いてくれて構わない」

長谷部が一歩前に進んで私と並ぶと、彼はそっと私の肩に手を置いた。
わあ、背が高いな。

「さあ、まずは本丸内を案内がてらに他のものに紹介しよう」

「あっ、はい、お願いします」

長谷部に促されるまま、私と長谷部は主の部屋を後にした。
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