第4章 本丸の終わり 加州清光
明日になれば、全てが終わる。
数多いる審神者と、その本丸にいる刀剣男士の尽力によって、歴史修正主義者との戦いは終わりを迎えた。
過去に飛ぶための時空の歪みを、もう誰も利用できない。
審神者は必要のない世がきたのだ。
だから、この本丸も、まもなく終わりを迎える。
審神者は、本丸で過ごした記憶を持ったまま世に戻るか、記憶を全て失くして世に戻るかを選択できる。
政府からはそう伝えられた。
だが、刀剣男士達については詳しく説明がなかった。
「ねえ清光、私と一緒に戻ろう?私、清光と二人で生きたい」
「…………俺も、桜と生きたい」
清光は何かを堪えるような顔をしていた。
「桜、俺のこと離さないでね」
清光は桜の手を強く握る。
「もちろんだよ。絶対離さないから」
桜は清光の手を握り返した。
お互いに顔を見合わせ微笑むと、二人は眠りにおちていった。