• テキストサイズ

ショートなR18妄想【刀剣乱舞】

第4章 本丸の終わり 加州清光



「ん……、もう朝……?」

桜が目覚めると、今が何時かすらわからないほど本丸内は静まり返っていた。

「清光、起きて……もう朝……っ」

桜が布団をめくると、そこに桜が知る彼はいなかった。
在るのは一振りの刀、加州清光のみ。

「刀に……還った……の?」

政府から刀剣男士達がどうなるかは、一言も告げられなかった。
けれど、彼らは知っていたのだろう。
魂が刀に還ることを。

「……ふっ、く……そんな……」

泣くことしか出来ない悲しみの中、手の中にある加州清光が温かく感じられた。

それはまるで、ずっと一緒に生きよう。
そう言って、桜を励ましているような気がした。

「そうだね。清光、一緒に行こう……絶対もう離さないからね」

桜は加州清光を手に、一人部屋を後にした。


賑やかだったこの場所も、今はもう静寂だけ。

静けさの中、本丸が幕をとじる。

もう、ここには誰もいない。



/ 275ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp