第23章 憧れの先生※一期一振R18
翌日、私は自分の未熟さを痛感することになる。
「みんな、おはよう」
爽やかな笑顔を浮かべながら教室に入ってきたのは、一期先生。
今日は一時限目から一期先生の授業だ。
いつもなら、すっごく嬉しい気分で授業を受けられるのに。
「おはようございます」
一期先生、今日も素敵で格好いいです。
昨日みたいなラフな私服もいいですけど、ネクタイしめてる姿も凛々しくて好きです。
いつもなら、一期先生をじっと見つめていられるけど、今日は先生の顔を見るだけで、心臓が高鳴ってしまう。
きっと、昨日読んだ小説のせいだ。
小説に出てきたちょいSな先生にとっても似ていて、だからつい。
昨日読んだ、エッチなシーンを思い出して、ますます恥ずかしくなる。
「それじゃ、授業を始めるよ。昨日の続きから」
しまった、余計なこと考えてる場合じゃない。
授業……授業っと。
昨日の続きって、どこだっけ。
昨日の……続き?
確か、昨日は公式を使って数式を解いたんだっけ。
ちゃんと問題が解けたら、先生がご褒美をあげるって、甘くて優しいキスをしてくれた。
違う!そうじゃない!
それは小説の話だ。
ダメだ。頭が混乱してきた。
集中、集中。
昨日の続きはっと。
周りを見渡せば、教科書も開かずにぼーっとしていたのは、もちろん私だけ。
みんなは真面目に先生の話を聞きながらノートを書いていた。
真面目な中に一人だけ、不真面目なことを考えていたことを悟られないように、教科書を開こうとした。
けど、そう上手くはいかないものだった。