第23章 憧れの先生※一期一振R18
家に帰り、自分の部屋に入ると、買った小説をさっそく読み耽る、なんてことはしなかった。
まずは一期先生に言った通り、翌日の予習からだ。
早く読みたい、その想いが私の勉強への原動力となる。
特に今回は、いつもより期待大の小説だ。
一期先生そっくりな先生との、学園もの。
おかげで、いつもより効率良く予習が終わったかもしれない。
教科書とノートを閉じると、本屋の手提げ袋に手を入れた。
おそるおそる本を取り出すと、表紙をじっと見る。
先程はじっくりと見ることが出来なかったが、やはり見間違えではなかった。
確かに、似ているのだ。
一期先生に。
ほうっとため息をつくと、振り返って部屋に鍵が掛かっているかを確認した。
よし、掛かってる。
おもむろにビニールのカバーを外すと、表紙をめくった。
「……っ!!」
表紙をめくり、一番初めの扉絵を見た瞬間、思わずバンと本を閉じてしまった。
な……これ、やばい。
思わず、鼻の下に触れてみる。
よかった、鼻血出てない。
もう一度、振り返って部屋の鍵を確認すると、再び本を開く。
扉絵には、制服を乱されたヒロインが一期先生……じゃなくて先生に、背後から胸と下半身を弄られているシーンが載っていた。
そして、その部分の台詞。
『勉強熱心ですね……これ以上何を教えればいいですか?』
『先生、私にえっちなこと……もっとたくさん教えてほしいですっ』
思わず、ヒロインを自分と重ね合わせてしまった。
絶対、こんな展開ないけど……想像するだけならいいよね。
このまま読み進めてしまえば、一期先生をまともに見られなくなりそう。
けれど、一期先生とのえっちな学園ライフへの誘惑には、勝てず、何章か読み進めてしまった。
扉絵のシーンのところまでは読めなかったけれど、期待以上のものだった。
特に、『正解したらご褒美をあげますよ』や『こんな時間まで残ってたら……どうなっても知りませんよ?』の台詞がすごくドキドキした。
こんなこと実際に言ってもらえるのなら、今よりもっと勉強すると思うし、毎日遅くまで図書室で勉強して帰る。
「……明日は学校の図書室で勉強して帰ろうかな」
普段、勉強は家でやるが、明日からは図書室で勉強して帰ろう。
つい、そんな邪な考えがよぎった。
小説のような展開を期待しているわけじゃない。
けど、想像するのは自由だから。