第23章 憧れの先生※一期一振R18
「……っ!?」
視界に入ったのは、新刊の表紙の絵。
学園ものだから、おそらく先生だろう。
その先生の絵が、驚くほど似ていたのだ。
私の憧れてやまない相手、一期先生に。
おかけで、さっきまで通常運転だった心臓が、一気に快速特急になった。
それでも、そんな動揺を顔に出すわけにはいかない。
私の好きな学園もの小説で、先生の絵が一期先生そっくりで、しかもタイトルが「ちょいS先生のエッチな生徒指導」ってさ。
買うしかない、よね。
買うべき、だよね。
誰にも気づかれないようにグッと拳に力を入れ、光の速さで新刊を手に取る。
本を問題集の下に重ねると、颯爽とレジへと向かった。
レジは空いており、さっきまでいた男性の店員さんはいなくなっていた。
よし、今日は運が良いのかもしれない。
レジへと行くと、店員さんに変然とした顔で本を渡す。
恥ずかしそうな顔は、決してしてはならない。
平然と、堂々と。
「カバーはお掛けしますか?」
「いえ、そのままでお願いします」
お願い、絶対そのビニール外さないで。
カバーなんてかけたら、中の挿絵見られちゃうよ。
内心ではヒヤヒヤしながら、店員さんの手元を食い入るように見つめる。
よかった、そのまま袋に入れてもらえた。
無事に会計を済ませると、袋を片手に本屋を後にしようとする。
目的は達したけれど、家に帰るまで気を抜くわけにはいかない。