第19章 運命の出逢い※燭台切光忠R18夢
いつか、素敵な男性と出逢い、恋に落ちたなら。
そのような夢を、誰もが一度は考えるだろう。
その素敵な男性に誘われ、二人で食事をするという、まさに夢のような出来事が起きている。
だが、夢ではない。
会ったばかりの見目麗しすぎる男性に誘われるがまま、桜は燭台切の案内で店に入る。
彼が店に入った瞬間、誰もが燭台切を見た。
誰もが思うだろう。
なんて格好いい人なんだろう、と。
実際、桜も同じことを思った。
見晴らしのいい席に案内されると、すぐにまた店員がやってきて、水とメニューを持ってきた。
「僕はここに来たの、実は初めてなんだ。だから、オススメにするよ」
「私も……同じものを」
桜は最初、緊張した面持ちで燭台切の前に座っていた。
時折燭台切と視線が合うと、恥ずかしそうに顔を赤く染めて逸らす。
その仕草を、燭台切は興味深そうに見ていた。
程なくしてパンケーキが運ばれてくると、桜は期待に満ちた笑みに表情を変える。
「わぁっ……!すっごく美味しそうです!」
パンケーキにナイフを入れ、クリームやシロップを絡ませる。
パンケーキを口に運ぶと、桜はほっぺたを押さえながら幸せそうな笑みを浮かべた。
その表情に、燭台切もつられて微笑む。
「甘いの、好き?」
「はいっ!」
甘いものを食べると、気持ちが安らぐ。
人を良くすると書いて、食。
このことを教えてくれたのは、彼の主だ。
燭台切は満足そうに、うんうんと頷く。
「僕も、甘いものが好きなんだ」
燭台切の艶やかな笑みに桜は頰を赤らめた。
「君も……甘くて美味しそう」
桜はその言葉に目を大きく見開くと、次の瞬間には勢いよく顔を逸らす。
彼女の頰や耳は、赤く染まっていた。