第19章 運命の出逢い※燭台切光忠R18夢
近時代に着くと、燭台切は通達書を確認した。
封筒の中には、審神者候補の名前、顔写真が入っており、指定された時刻と場所へ行く。
燭台切が指定されたのは、正午過ぎのコーヒーショップだった。
恐らく、候補者がこの店にやってくるのだろう。
初めてのコーヒーショップに燭台切はやや戸惑ったが、難なくコーヒーを手に席に着く頃ができた。
候補者を現地で確認したら、審神者の素質があるがあるか目視で確認を行う。
審神者の資質の有無は、常人には能力測定値を必要とするが、刀剣男士なら見ただけでわかる。
彼ら曰く、一目で男士を惹きつけるのだそうだ。
ゆえに、遠征先で審神者候補者にちょっかいをかける男士が何振りか稀に現れる。
実際、つい先日もそのような不祥事が起こったらしい。
燭台切がいる本丸は、何度も特殊な遠征に行っているが、何か起きたことは一度もない。
「うんうん、それが君の力か……なかなかの掘り出し物だね」
燭台切がコーヒを飲んで程なくすると、候補者が店に訪れた。
時刻も正確、さすがは政府の情報である。
候補者はまだ幼く、それゆえ未成熟な力ではあるが、なかなかの有望株であった。
燭台切は書類に適性有りとサインした。
「……終わり、だね」
燭台切がこの遠征を行ったのは初めてだったが、特に問題もなく、呆気なく終わった。
候補者をほんの一瞬だけ見て、書類にサインしただけ。
特に何か感情が揺さぶられることもなかった。
早く終われば、それだけ買い物する時間に充てられる。
拍子抜けした燭台切はため息を着くと、懐から買い物リストを取り出した。
「まずは主のお土産からだね、お店はこの近くだけど……これ、美味しかったからもう一杯買っていこうかな」
初めてのコーヒーショップで頼み方がわからず、スタッフに勧められるままに買ったコーヒー。
甘党の燭台切の好みを直撃したそれを、燭台切はテイクアウトしようと、いそいそとレジへと向かった。
「えっと、カフェラテのトールサイズにヘーゼルナッツシロップを多めに追加で」
2回目となれば、頼むのも慣れたものである。
比較的スムーズに注文すると、燭台切は買い物リストを見ながらカフェラテが出来上がるのを待った。