第19章 運命の出逢い※燭台切光忠R18夢
数ヶ月に一度、特殊な遠征が行われる。
歴史修正主義者が現れる前の時代、近時代に赴き審神者候補の調査をするのである。
今回の遠征先は2018年。
行くのは、燭台切光忠だ。
通常の遠征とは異なり、たった一振りで行かなければならない。
燭台切は近時代の衣服を着用し、不審な点がないか念入りに確認をしていた。
すると廊下を駆けてくる音が聞こえる。
その音はだんだん近くなり、ついに燭台切の部屋の前で止まった。
「燭台切さん!」
声を掛けることもなく、スパンと障子が開かれる。
彼女は近時代の衣服に身を包んだ燭台切を見ると、ポっと頰を赤らめた。
「主、どうしたの?」
「あの、燭台切さん今日は近時代に遠征ですよね。その……」
燭台切の姿に魅入る彼女に構うことなく、燭台切は用件を聞くと、彼女は言いにくそうに目を伏せた。
「過去への過大な干渉は極力避けて下さいね。特に……」
「不必要に人とは関わっちゃダメなんだよね?それくらい、わかってるよ。主は心配性だなぁ」
「ご、ごめんさない……」
彼女はおずおずと政府からの通達書を燭台切に手渡す。
この任務に限り、調査対象である審神者候補の情報は本丸の主に知らされない。
「お土産買って来るくらいはいいよね?君が好きだって言ってたお店で何か買って来るよ」
「……ありがとうございます」
頰を赤らめながら彼女は燭台切に礼を言うと、行ってらっしゃいと告げた。
障子が閉まり、彼女の足音が遠ざかると、燭台切はため息を吐く。
「うーん、過大な干渉ってどこまでのラインなんだろう。買い物するくらいはいいよね」
お土産が許されるなら、買い物も問題ないだろう。
つでに近時代でしか手に入らない調味料も買っておこうと、お買い物リストを懐に忍ばせた。