第12章 闇の豪邸
「どうぞ」
まるで執事か誰かがするように門を開けて待たれ、気恥ずかしさを覚えながらは門を通った。
そのまま少し歩き、屋敷の入り口に近づく。
遠目からではあまりわからなかったが、近づくとその大きさに圧倒された。
───ドア、でかい…
普通サイズのドア5つ分くらいの大きさだろうか。黒くどっしりした扉が、を待ち構えている。
こんな重たそうな扉どうやって開けるのだろうか。どう見ても、人一人では開けられない大きさと重さ。
ライアがそれに手をかけながら言う。
「夜までに時間がありますので、それまでは家の中で自由にして頂いて構いません」
「じゃあ探検しててもいい?」
目を光らせ、わくわくした声で言う。
こういう家は初めてなのだ。これからいつこんなに大きい家に入れるかわからない。
となれば、今探検するに限る。
ライアはキラキラしたに微笑むと、「いいですよ」と言った。
扉にぺたりと手をつくと、まるでその見た目が嘘のように音もなく開いた。