第9章 留守番
わずかに顔をしかめ、後をつける。
店内に入ったのを見届けて、ダンテも間を置いてから入った。
───バージルの野郎、手は出さないとか言っといて…バッチリ買い物デートしてやがる! ずりぃ!!
恐らく、が買い物に行くというのにバージルがついていっただけだろうが…やっぱりずるいもんはずるい。
ダンテは二人を見張る事にした。
辺りを不自然ではない程に軽く見回し、商品を選ぶフリをしてを探す。
バージルは別にいい。が見つかれば。
やがて小さな足取りと薄紫の服を視界の端に認め、ダンテはにやりとして後をそっと追った。
は夢中で材料を探していた。
どれがいいかと品物を見つめ、ぱっと手に取りとてとて別の場所へ走る。
バージルは…
バージルは、そんなちょこまかとしたの動きについていけず、を見失っていた。
───バージル…何やってんだよだせぇな…
ダンテはやや呆然と突っ立っているバージルにつっこむ。
まあ店の中だし、外よりは安全だ。何かあってもこの狭い店の中であればすぐ見つけられるだろう。
そう思ったのか、バージルはを探すのを諦め、自分もあちこち回っていた。
そしてダンテはというと、余裕での後をつけていた。
の歩幅は小さくて、走っていればすぐにわかる。気付かれないように遠くから、見守っていた。
───についていけないなんて、愛が足りないぜ。
バージルにできない事が自分には容易にできる。ダンテは優越感にひたった。
ふと、商品のある場所が高く、背伸びして一生懸命取ろうとしているが目につく。
助けたいと思う反面、あまりにかわいすぎてダンテは悶絶した。
───あああ後ろから抱きしめてぇー!
あぶなっかしくジャンプして、やっと手に取る。
ダンテはとりあえずほっとした。全く、は目が離せない。
そしてがまた走り出そうとした時。