第8章 信じる事
「神の娘か……聞いた事がないな」
「だろ? うさんくさいだろ」
が一生懸命手当てをしている中でのんびり話していると、何だか奉仕されているようで悪い気分ではない。会話の内容は真剣そのものなのに、上機嫌さえ感じられる。
それを見せつけられているバージルの方は、腹が立って仕方ないのだが。
「しかもあの様子じゃ、ぜってぇまだ諦めてないぜ」
「…少し調べてみるか」
「頼む。俺は守ってるからよ」
手当てをしながらは話を聞いていた。
───私、守られてばっかりだな。役に立ってもないのに…
そんな事を考えていると、ダンテがふっとを見た。
「迷惑かけてるとか思うんじゃねぇぞ。むしろ俺はを守れて嬉しいんだ」
目を見張った。
見透かされたのだろうか。思わずそう思ってしまう。
そして次第に笑みがこぼれた。
「………はい」
「お前俺から離れるなよ。いつ来るかわかんねえからな」
「わかりました」
うん。この人に任せておけば大丈夫だ。
ダンテは私のヒーローだから。
外では、暗い暗雲がたちこめていた。まるで未来を予言するように。
空が光り、一瞬浮かび上がるローブ姿。
それはDevil May Cryの前にじっと佇んでいた。