第7章 迎え
「えーと……これもお願いします!」
「はいよ」
ダンテに案内されて来た、街のスーパー。らしき所。
人もまばらな店内で、二人は買い物をしていた。
「…うん それくらいでいいです」
「もういいのか? 少なくないか?」
「大丈夫ですよ。また何か必要なものがあったら、買いに来ます」
下着類も、さっきダンテにお金を借りて買った。今必要だと思えるのはこれくらいだ。
支払いを済ませると、二人は帰路についた。
朝早く出かけたおかげでまだ昼過ぎ。
帰ったら掃除でもしようかと、は考える。
「荷物かせよ。俺が持つ」
「いいえ。私の物ですから、私が持ちます。ダンテこそ荷物少しわけてください。持ちすぎですよ!」
はこういうところが律義だ。
ダンテは苦笑した。
まあ、そこもまた好きなのだが。
しばらく話しながら歩いていると、不意にダンテはぴりっとした変化を感じた。
すばやく周囲に視線を走らせて気づく。
いつの間にか人がいない。
普段なら気にしないのだが、不自然に風が凪いでいて、予感は確信に変わった。
───チッ
「おい」
「はい?」
異変に気付いていないは、首を傾げた。
「俺の側から離れるなよ」
「? はい」
ダンテは道の端に、持っていた荷物を置いた。
のも無言で奪うと、置く。
「………??」
ますます首を傾げる。
すると突然。
ざあっと、突風にも似た風が起こった。
ふっと道の先を見ると。
───人…?
ダンテとから、ほんの10メートルほど先の場所。
そこに、一体いつ現れたのか人がいる。
真っ黒なローブを深くかぶっていて顔が全然わからない。