第7章 迎え
「ダンテさーん。朝ですよー」
かがみこみ、ささやくような小さな声で言ってみる。
起きない。
はふうっと息をつくと、揺さぶろうとダンテの肩に手をのばした。
その瞬間。
「わっ」
は突然のばした腕を引っ張られ、ダンテの上にドサッと倒れこんだ。
慌てて身体を起こすと、今度は後頭部を大きな手で支えられる。
目の前にアイスブルーの瞳。
かと思ったら、ぐいっと頭を引き寄せられた。
額に唇の感触。
「おはよーさん。俺の」
「起きてたんですか!?」
「あんなかわいい声で呼ばれたら一瞬で目が覚めるぜ」
の頭を抱くように自分に押しつけるダンテ。当然、上半身は裸だ。
はじたばたした。
「何だよ」
「なっ何でダンテって服着ないの!」
「めんどいからー」
からかうような口調。
「だっダンテダンテ!」
離してくれなさそうなダンテに、慌てて話をそらす。
ダンテはの髪に静かに唇を落とした。
吸い付くような、艶やかな感触。
「何だ?」
「バージルが下で朝食作って待ってるんです! 行かないと怒られ…」
「知らねえな。ほっとけ」
失敗。
は更に慌てる。の耳にダンテの熱い吐息がかかり、うまく頭が働かない。
わざとだ。絶対、わざと顔を近づけてる。
「えーとえーと……あっそうだお出かけ! お出かけ行くって約束しましたよね!? 準備して行きましょう!」
これにはダンテは反応した。
「もう行くのかよ?」
「早い方がいいかなーと…」
「…………」
それを聞いて、ダンテは急に黙ってしまった。
「………?」
不審に思ったがどうかしたのか聞こうとして、顔を覗き込むと…
「わあっ!」
ぐいっと引き寄せられたかと思うと、ばふっと布団がかぶさってきた。
「もうちょっとこうしてようぜ」