第6章 眠る前の夢
ダンテは顔が緩むのを止められない。
必要とされた。必要としてくれた。
「あぁ。喜んで行かせてもらうぜ」
「ホントですか!? よかった…」
がばっと飛び起きそうな勢いでは言った。
嬉しさがにじみ出ている声。
「…じゃあ、明日楽しみにしてる」
「はい。…引き留めてすいません」
「いいよ。…おやすみ」
「おやすみなさい」
バタン
部屋を出たダンテは、閉めたドアに身体を預けて目を閉じ、しばらく幸せにひたっていた。
甘い生活。
人間ではない自分を好いてくれる人。
その時、ふっとダンテに不安がよぎる。
は俺が半分悪魔だという事を知らない。
言うべきか? いつかは言わなくてはならない。
わかっていても、不安と恐怖が這い上がる。
言えばの対応が変わる気がした。
今はまだ言う勇気がない。言うタイミングだとも思えない。
夜はふける。