• テキストサイズ

【DMC】RED

第1章 終わらない帰り道




──…あれ……?

は歩いていてふと、違和感を感じた。
引っかかるような、引っかかったような。

ここはいつも通っている帰り道。でも何かがおかしい。

いつもと同じはずなのに。
それはまるで電柱の貼り紙がはがされたような、家の柵の色が変わったような、そんなさりげない変化。
気付くのに時間がかかる。


違和感を探して視線が泳いで。

「あ…」

───こんなところに道…あったっけ?



が首をめぐらせたそこには、雑草にまぎれて人が一人やっと通れるくらいの道があった。

今まで気づかなかったのが頷けるくらい、道としての存在感がない。
家と家の隙間のような暗さ。


そして向こう側には光が。
誘うような雰囲気に導かれ、は吸い寄せられるように近寄る。


別に理由はなかった。
子供が知らない野原を探検するような、ただ純粋な好奇心と期待とがあって

は迷わずその道を進んだ。

/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp