第3章 洋服を買いに
「服……?」
はまだ不思議そうにしている。
ダンテは勤めて平静を装い、を直視しないように言った。
もう一度見たが最後、抱きしめて部屋にお持ち帰りしそうだ。
「あぁ。俺らの服買いに行ってくる」
「えっホント!?」
明らかに嬉しそうなの声。
「私も一緒に…」
そう言い、走り寄って来る。ついて行っていい? という顔で見上げてくる。
それを見てしまったダンテは、もう我慢の限界だった。何かが切れた。
の腰に手を回し片腕で抱き寄せる。本当は両腕で抱きしめたかったが、いきなり抱きしめてが怖がるのが嫌だった。
そして案の定、驚いて身体を硬くする。
ダンテは無理矢理にならないよう、添えるように彼女に触れた。
の耳元に口を寄せ、わざと低く甘い声でささやく。
「いい子だからここで待ってな。外に出ればまたあいつらがいる。ここならあいつらは近寄れねぇから」
ささやかれたの耳が、目に見えて赤くなった。
───ああ全く、愛しくてしょうがねえぜ。どうしてくれんだよ。想像以上だぞ、これ。
さっき会ったばかりだというのに、もうこんなに心が惹かれている。
やっぱり抱きしめようかともう片方の腕を回そうとした瞬間。