第22章 後悔
困惑して睨み合う二人を交互に見る。
すると。
「俺は賛成だ」
後ろからバージルの声。よかった、この状況を何とかしてくれる。
は安心する。
でも。
今。
何て言った?
「またが傷付くのは御免だ。悪いが出ていってもらおう」
「……っ!」
息を呑んだ。信じられない。
バージルまで何を言い出すのか。
なんで? なんでよ。
ライアは不器用なだけなのに。悪い人じゃないのに。
わかっている。
それはダンテもバージルもわかっているはずで。
だからこそ。
「出て行け」
ライアは、一瞬だけ。
顔を歪めた。
「街を出ろとは言わん。住む場所を探すのも手伝ってやる。と会う事もできる。金も持っていくといい。だが、あの家に住む事は許さん」
バージルは強く言いきった。
もう、を見ている彼らが我慢できないのだ。
一度深くを傷つけて。なのに一緒に住んで。
更にまた傷つけて。
彼女は自覚していないだろうが、その傷つきは至る所で表れている。
例えば、あまりライアと目を合わせない所。
「俺も同感だな。けどその前に…」
ダンテは立った。剣を支えに、ふらりと。ゆらりと。
「殴らせろ」
「!」
やだ。やめて。
そんな事やめてよ。
ダンテ。
どうして。
「気にくわねぇ…気にくわねぇんだよその思考。言った事を守らねぇ奴は嫌いだ」
「お前が言えた事か」
バージルがこんな時に突っ込む。
ダンテは怒鳴った。
「うるせぇな、あんたは黙ってろ!俺はライアに言ってんだ」
「………」
ライアは少しだけ悲しそうに立っている。背筋をのばして真っ直ぐに。
対するダンテはまだ辛そうで。
当たり前だ。あんなに血を流したのに立ち上がるなんて自殺行為だ。