第22章 後悔
「帰ろう、ライア」
涙をこらえるようなの声にハッとした。
は微笑んでいる。信じて疑わない笑顔。
私の帰りを信じて。
ライアはうつ向いた。
戻りたい。出来る事なら戻りたい。
貴女のもとに。
それを誰かが突き落とす。
冗談じゃないと。
一度ならず二度までも迷惑をかけた。
自分で自分を終わらせるつもりが他人を巻き込んだ。
巻き込んだのに、自分は生きて望みは叶えられ。
またのこのこと戻れるか?
戻って以前のようになれるか?
嫌だ。
私が嫌だ。
また迷惑をかけるかもしれない。
怖い。
戻ってきていいと言ってくれる裏側で、貴女はどれほどの事を我慢しているのですか。
「…ライア?」
いつの間にかライアは顔をしかめていた。
それをが心配そうに見つめる。
そんな顔でこちらを見ないでください。
甘えたくなる。
「ね 帰ろう」
再度告げた言葉。
ライアは悔しそうに唇を噛む。
悔しそうに目をぎゅっと閉じる。
そして呟いた。
「でき、ません…」
「え…」
呆然としたの顔。
立ち上がる。目眩がしたが、それを叩き無理矢理足を踏ん張る。
女の身体は、以前よりも幾分身長が低かった。
「できません。もうこれ以上迷惑はかけたくない。やはり私には、一人が…」
「何言ってんだよ」
ダンテの声。怒っている。
「逃げる気か」
「逃げるのではない。私が離れれば、もう余計な迷惑はかからないと言っているだけだ。そうすれば邪魔者は消えてお前もせいせいするだろう」
「はっ まあな」
「ダンテ!」
怒るようには叫ぶ。そんなの嫌だ。
またいつものように過ごしたいから。出掛けたり買い物したりご飯食べたりしたいから。
だからライアに戻ってきて欲しいのに。