• テキストサイズ

【DMC】RED

第21章 手招き



ライアの手が動いた。

名前、今呼んだ?
呼んでくれた?
にわかに信じられなくて、戸惑ったようにそのまま見つめていると。

「様…」

指先が頬に。
温かい。
温度は生きている証。
ライアがちゃんと生きている証。

うつむいた。

「ライア…っ」

「様…申し訳ありません」

すまなそうな顔。いつも見ていた表情。
優しい顔だ。
生きている。


「ライア、目覚めたのか?」

声しか聞こえない事にたまりかねて、ダンテが言った。
は慌てて返事をする。

「ダンテ! 覚めた…覚めたよ! ちゃんと、…生きて…」

言っているうちにぼやける視界。
何て幸せなんだろう。あの絶望が嘘のようだ。
皆生きている。皆無事。

「…そうか」

ダンテは今度こそほっとした。かなり危ない賭けだったが、ライアは持ちこたえてくれたのだ。
の嬉しそうな声に笑顔がもれる。

よかった。

/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp