第19章 闇
残された二人は、あまりにも突然の展開に呆然と立ち尽くした。
ライアが死ぬ?
どうしてそういう考えに辿り着く?
今朝までライアに異変は全くなかった。それなのに。
「…………」
冗談とは思えない。
の叫びが、耳に残って消えず。
二人は顔を見合わせた。
「……どう…する?」
「どうしろと…」
腑に落ちない点はたくさんあった。頭の中は疑問だらけだ。
なぜライアが出て行く?
それがなぜ死ぬ事になる?
はなぜその事を知っている?
出ていったなら、どうやって?
ライアが出ていく所を誰も見ていないのだ。リビングでダンテが起きるのを待ち、読書をしていたバージルでさえ。
それでも、は見た事もないくらいに取り乱して家を飛び出してしまった。
それが、二人を動かす理由になる。
十分すぎる程に。
二人は無言でコートを羽織ると、それぞれ武器を携えて家を出た。