• テキストサイズ

【DMC】RED

第19章 闇



階段をいつもより静かに降りて洗面所に向かい、顔を乱暴に洗う。
適当に拭いてキッチンに入ると案の定バージルがいた。ライアはいないようだ。

「遅い」

「いつもだろ」

そうお約束の会話をして、ダンテは冷蔵庫を開ける。
トマトジュースの瓶をひとつ手に取り膝で閉めた。


「おい、ライアを連れ戻して来い。の部屋にいる」

「は?」

突然バージルに不機嫌そうに言われて、ダンテはフタを開けたまま固まった。

「…ライア?」

「ああ。の部屋で話しているはずだ。随分時間が経っている…そろそろやめさせろ」

「え…誰もいなかったぜ? 俺、降りて来る前にの部屋覗いたもん。、寝てた」

「何?」

今度はバージルが驚いて振り返る。
何言ってんの、という顔をしたダンテをしばし見つめた。


誰もいなかっただと? 話は終わったのか?
ドアが開いた気配はなかったが…。

しかし、ダンテが嘘を言っているようには思えなかった。
だいたいつく意味もわからない。

話していないなら別にそれでいいのだ。
に負担がかからなければ。

「……なら、いい」

バージルは顔を背け、再び朝食の準備に取り掛かった。
ダンテは「何なんだよ」とぶちぶち言いながら、トマトジュースの瓶を片手にリビングへ消えていく。


サラダを皿に盛る。もう完成だ。
ドアの向こうに消えるダンテの背中に、「朝食だ。ライアを呼んで来い」と告げると、ややあって、明らかにめんどくさそうなうなるような返事が聞こえた。


/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp