• テキストサイズ

【DMC】RED

第18章 3メートル



はそれに少し笑い、ライアを見た。
彼も視線に気付くといつものように穏やかに微笑む。

「私も手伝いますから。心配しないでください」

「うん…ありがと」

話したいのはその事じゃないのに。

ライアはの気持ちをわかっていながら話して来ない。
は気づいていた。ライアの視線が珍しく揺れている。

「…………」

じっとライアを見つめる。
話さないなんて駄目。
そんなにからっぽな笑顔なのに、何もないなんて事ないでしょう?

それでもライアはそれに気付かないふりをして、部屋を出て行こうとした。

「…では、また後で様子を見に…」

「ライア」

たまりかねて呼ぶ。
ライアは立ち止まってしばし考え込むと、やがて諦めたようにを見た。

その顔には、これもまた珍しく苦笑。

「わかりました」

それだけ言って、その場にとどまった。


「………?」

バージルはそれに不思議そうな顔をしたが、二人の問題だと判断したのか、何も言わなかった。

に無理をさせてくれるな、という風にライアを一瞬睨むように見つめた後、部屋を出ていく。


あとにはとライアだけが残り、静かな静寂が落ちた。

/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp