第14章 割れたティーカップ
何、とが言う暇もなく、ダンテは今がなめた指を砂糖に突っ込み。
自分の口へ運ぶ。
「……ん うまい。砂糖だ」
「…!!」
かっとが赤くなった。
何なのいきなり! バージルとライアの前なのに!
にやにやするダンテを睨むが、そんな事でひるむダンテでもなく。
「……………」
見せつけられたライアは突然の事にぽかんと口を開け、いつも見せつけられているバージルは手を震わせた。
我慢だ。ここで殴ってはせっかくが淹れてくれた紅茶が台無しだ。
震える手でポットをテーブルに置き、気を落ち着かせようと紅茶の注がれたカップを手に取る。
ライアも、戸惑った末に「いただきます」とカップを取った。
「……ん。、砂糖ついてるぜ」
ダンテにそう言われ、砂糖の容器をライアに渡したは瞬いた。
意味を悟り、慌てて手で顔を触る。
さっき砂糖か確かめた時についたのだろうか。
「どっどこ!?」
真面目に受け止めるが可愛くて仕方ない。にやけそうになるがそれではバレてしまう。
必死に我慢し、ダンテは彼女に近づいて。
「ここ」
ぺろりとの唇を舐めた。
「…………」
さすがのも呆然。
同時に。
────バリン!!!
バージルとライアのティーカップが、同時に握り潰された。
二人の手からカップの欠片がこぼれ落ち、紅茶が床に広がる。
「ええっ! ど、どうしたの! 何か拭くもの持ってこなきゃ!」
ダンテに唇を舐められた事を気にしている場合じゃない。
が驚いて、布巾を取りに行こうとする。
それをダンテが止めた。
「待て。危ねえから触んなよ。俺が片付けてやる」
誰のせいだ。
バージルとライアはダンテへの嫉妬を急速に広げる。
それを感じていないわけはないのに、悠々とキッチンへ歩いて行くダンテ。
は二人を心配そうに見た。
「2人共怪我してない? 大丈夫?」
「あぁ。こんなものかすり傷だ」
「大丈夫です」