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【DMC】RED

第13章 約束



しかしその一方で、自分がいるのにどうしてきっぱりと断らなかったのかという思いが。


「では異世界から来た人を助けたい云々は嘘だったのか」

「あぁ。それしか思いつかなかった…」

「………」

それ以上は言わないライア。バージルは黙って、手に持っている本をめくる。

ライアの家の本を借り、他に本当に方法がないのか探しているのだ。
本当は嫌で仕方ない。こんな非道は放っておきたい。
しかし、が。死なせたくないと願った。
それで十分だった。


本をめくりながらバージルはその奥深さに驚く。ライアの家系は永く、伝記が遺されていた。
純粋な興味が首をもたげ始める。

「何か方法ある?」

に聞かれ、バージルは顔を上げた。

「ないな。どうやら本当に、寝所を共にするしかないらしい」

「そんな…」

は肩を落とす。
何か少しでもヒントになるものがあるだろうと思っていたのに。
それはライアも同じで、僅かに残された希望も消えた気がした。

死ぬしか。
やはり死ぬしかないのか。
人と関わらず歩んだ人生。今更関わろうとする方がおかしかった。

関わらないなら関わらないまま孤独に死ねと。
そういう事か。

沈黙が降りる。どうとも言えない沈んだ黙秘。


「…せめて………」

はぽつりと呟いた。

「せめて、うちで一緒に住ませてあげてもらえない? 一緒にいるだけでも命は伸びるらしいから………」

「なっ…」

ダンテは驚いて言葉を失う。
は何を言っているのか。こんな目に遭っても尚、それを許すと言うのか。

ダンテが口を開いたと同時に、それを遮るようには言う。

「だって、ライアと寝るの許してくれる?」

「許さねえ。悪いけどな」

悪いけどな、と言う義理もない。ダンテはきっぱりと言った。

それはそうだ。言うでさえ、ダンテ以外となんて嫌だ。
だけどそれでは、ライアが。

「だったら! 一緒に住ませてあげて。お願い…」

ダンテは無言。はダンテをじっと見つめる。

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