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【弱ペダ・荒】幼い奴ら

第3章 再開2


「だったらどうする」
お互い嫌な記憶しか残っていないのに、それを分かったところでどうしたいのか。
「その・・・荒北先輩があの荒北先輩だとして」
「まぁ、どっちも俺ってのはあってんな」
「中学の先輩は口悪いし、偉そうだし、怖いし、ただのヤンキーにしか見えなくて・・・・」
と、当時からそんな風に思われていたのかと少しショックを覚える荒北をよそに名はつづけ
「相変わらず口は悪いし、怖いですけど・・・けど、今の荒北先輩の方が良いと思います」
途端荒北はバッと隣を見たが、頬が染まることも恥ずかしがってもいない名に少し期待してしまった恥ずかしさを覚えつつ
「・・・・・・俺をふったのも覚えてんのか?」
と本題をふれば名は一瞬固まったが
「えぇ、覚えてますよ」
そして
「忘れられませんよ」
と申し訳なさそうに笑った。
それを聞いてあの告白をなかったことにされてないことにどこか安心し
「まぁ、なんだ。これからは、ただの部員同士ってことで」
と言うと名も「はい。」と頷き、2人の関係は1からやり直すことになった。
それからというもの
「ウス、名ちゃん」
「おはようございます靖友先輩!」
と、お互いを名前で呼ぶようにまでなり
「荒北ばかりずるいぞ!!」
と言う東堂に名は素直に言うことをきいていたが
「福ちゃん先輩!」
と福富だけは荒北と同じ愛称で、
(おんなじ)
と荒北はそれを聞くたび嬉しく思っていた。

すっかりマネージャーでありメカニックとしても必要なメンバーになった名は新開が落ち込んだ時も泉田がへこんだ時も寄り添い、外練となれば行ってらっしゃいと見送り、お帰りなさいと迎えられ、その心地よさに部員達全員が満たされていた。
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