第3章 再開2
そんなある日の外練帰り、部室をあけると椅子に座った新開の前に名がしゃがんで新開のふくらはぎを揉んでいた。
「・・・なにしてやがる」
荒北がそう訊くと
「名のマッサージ、上手くて気持ち良いよ」
と笑顔の新開。
「そんなこときいてんじゃねーんだよ!名チャンに何させてんだ!!」
半ギレの荒北に、新開と名は顔を見合せ
「「マッサージ?」」
なんてのんきで
「名!てめぇまで一緒になってんじゃねーぞ!」
と呆れて声を荒げれば、そんなに怒らなくてもといった感じの名に、故意でやらせているのがまるわかりの新開が
「名の眺めもいいぞ」
なんて言ってきて、驚き照れだす名。
(いや、そこ照れてる場合じゃねーから!!)
そんな事を言いたくなる名の無防備さ。
こんな男の園に紅一点。
何が起きても不思議じゃないのにそんな事が起きないのは王者の名に傷はつけられないからだ。
だから、そこらへんのそこらへんで適当やってる奴等のとこだったら本当に
(何が起きたって不思議じゃねーだろ)
と自分が荒れていた頃を思い出すと少し分かってしまう。
「んなもん野郎同士でやれ!てめぇもだボケナス女!!」
と新開と名を引き離し、新開はやれやれと呆れる名に
「まぁ、確かにお前さん、もちっと警戒心はあった方が彼氏ができた時あいてさんが安心するだろうな」
と言えば名は即座に
「私、彼氏作る気ないです」
なんて笑って言うものだから、周りが驚き、唯一
「む、名!気が合うな!俺も誰とも付き合うつもりはないぞ!なんせこの美貌は1人のためにはもったいないからな!!」
と話を聞いていた東堂が同意していた。
「尽八先輩の場合そうでしょうね」
笑ってかわす名。
「それはもったいないなー。なんで彼氏作らないんだ」
と哀れむ新開にの名は
「いやぁ、中学の時・・・」
と話し出し、ドキリとする荒北。
「中学の時、友達内で私が一番最初に彼氏ができそーってバカにされて」
と苦笑する。